インドネシア・ジャカルタのone pieceさん、スタイリスト募集につき2回目の取材です。
one pieceさんを簡単にご紹介すると、ジャカルタで最古参・最大の日系美容室です。
現在、インドネシアに5店舗、鹿児島に1店舗。スタッフは約100名。
今後は、アジア圏以外での進出も視野に入れています。
代表ヒサトさんへのインタビューなどは、前回の記事をご覧ください。
今回は産休のため一時退職され復帰したミユキさんと、ハサミノサキ経由で入社した理容師でもあるヒカルさんを中心に、one pieceさんをご紹介します。
ミユキさんには、実際ママになって感じた子育てと仕事の両立について。
かなり柔軟な働き方もされています。
ヒカルさんは、入社して約1年ジャカルタに住み、働いてみた感想をリアルに答えてくれました。
女性の方、また海外の経験を日本で活かしたい美容師さん。
海外の美容室で働いてみたい理容師の方も、ぜひご覧ください。
最初にインタビューしたのは、産休から復職したミユキさんです。
前回のインタビューはこちら。
ミユキさんは現在1歳の女の子を育てる1児のママさん。2017年8月に出産のため一度退職し、日本に帰国。その後18年11月に復職しました。
旦那様もジャカルタの日系企業に勤めており、当初ミユキさんの仕事への復帰には反対だったそうです。育児に専念してほしいのが、その理由です。
ただ、どうしても働きたかったミユキさんは、ヒサトさんにも相談しながら、希望どうり復職します。それができたのは、柔軟な働き方を認めてくれたヒサトさんの配慮が大きかったそうです。
ミユキさんのお子さんをあやす代表のヒサトさん
ーーいまは週休3日だそうですね。
「はい。水、土、日がお休みです。最初は私も子育て・家事との両立が、どういう風にできるかわからなかったので、2日働いて休むという形をとらせてもらいました」
「ほんとはもっと働きたいんです。でも家事と子育てやってると、いまのところこれが限界ですね。お母さん大変ですね。大変。家帰って寝かしつけてとか」
ーー勤務中、お子さんはどうされてるんですか？
「ベビーシッターさんに預けて、毎日一緒に通勤しています」
ーー毎日一緒に通勤してるんですか！？
「そうです。毎日一緒です。いつもいっしょにここまで来て、このモールの中でジムに行ったりとか、遊び場で遊んでもらったりして、夕方に一緒に連れて帰るんです」
「で、お昼ご飯を一緒に食べたり。もしぐずったりして、私も時間があったらここでおっぱいあげたりもするし、そんな感じなんです。だから連れて来ていいよって言ってくれたのも大きかったです」
インドネシアでは、ベビーシッターも普及していて、働くママさんにとってとても便利です。
費用はベビーシッターさんの経験や実績、語学力、通いか住み込みかなどによって変わってきます。住み込みで、安いベビーシッターさんだと、月3万円くらいから利用できるそうです。
ミユキさんのベビーシッターさんです。お子さんもとても懐いてました。
ーーインドネシアは働くママさんにとって、働きやすい環境のように思います。実際ママになってどう感じますか？
「インドネシアだからって子育てが楽ってことはないと思います」
「ただ、日本とインドネシア、良い点・悪い点あると思うんですけど、結局は変わらないと思います。例えば、日本だったら0歳児から保育園があるじゃないですか。インドネシアではありません」
他には、子供の医療費。例えば、東京都だと小学校までの医療費は、健康保険の自己負担分は全額助成。一方、インドネシアにはそういった制度はありません。
制度としては日本のほうがいいかもしれませんが、一概に子育ては日本が絶対というわけでもないようです。
お子さんが美容室に来ると、ローカルスタッフの皆さんも出てきました。
例えば、インドネシア人は子供に優しい。
日本では子供が泣くと目くじらを立てられことも少なくないですが、インドネシアはとてもおおらかに見てくれます。あわよくば、あやしてくれることも。
また、ベビーシッターさんに家事もお願いするか、メイドさんを雇うことで、家事の負担もかなり減ります。
そういった文化や習慣、また物価なども考えると、決して日本のほうがいいとは言えないようです。
「でも、海外だからこそ自分が求める環境を作れるんだと思います」
と言うと？
「例えば、前例がなかったんですけど、こうやって時短で働かせてもらったりとか」
「あと、ヒサトさんが求めてることを一緒に叶えてくれます。それが他のサロンさんだとどうなのかわからないですけど、自分次第でなりたい自分、やりたい仕事、という感じにもっていけると思います」
子育てと美容師の両立は、インドネシアでも日本でも、どちらがいいかは、その人自身によりそうです。
ただ、これだけ柔軟に働ける可能性があることは、大きな魅力ではないでしょうか。
もちろん、ミユキさんの美容師としての実力があるからこそ、という点も否めません。
そして英語も学べる上に、物価も安い。家事の負担も減らすことができ、子供も海外で生活するという経験もできます。
日本のママ美容師さんも、メリット・デメリットをはかりにかけて、ぜひ選択肢のひとつに入れてみてください。
次にインタビューしたのは、ハサミノサキを見て入社してくれた峰松ヒカルさん。
かなりリアルに語ってくれました。
ヒカルさんは、佐賀県出身の26歳。
16歳からアイビービューティカレッジに通っていたヒカルさんは、理容師として学校を卒業。はじめは理容室に就職します。
1年後には美容室に転職をして、その後はずっと美容室で美容技術を磨いていたそうです。one pieceさん応募時点では、スタイリスト経験は2年ほどでした。
元々日本ではなく、海外で独立することも考えていたヒカルさんは、アメリカを志望していたそうです。
「就職先も語学学校も決めていたんですが、ビザが取れなかったんですよ。大使館で面接をしたんですけど、落とされちゃって（笑）」
結果、アメリカを断念し、ハサミノサキを見て問い合わせてくれたのが、one pieceさんに就職したきっかけです。
しかし、今ではむしろこっちで良かったと。
「落ちて来てるわけですけど、最初はこっちでいいやーだったんですよ。でも全然こっちでよかったなっていう」
ーーそれはなぜですか？
「チャンスがたくさんあります。こっちは人口も多いし、変な話しお金持ちも多い。one pieceっていうブランドもあるから集客も困らないです」
ブランドももちろんだけど、バックオフィスのサポートも集客に大きく影響しているそうです。
「普通のサロンだったら自分でお客さん集めないといけないじゃないですか。でも、ここはスタッフを、バックオフィスのスタッフがマネージしてくれるんすよ。Instagramだったりで」
必要な事務作業などは全てスタッフがしてくれます。
「こういう人入りましたよーって。そのスタッフたちが自分をプロデュースしてくれるんです。それで、新規で指名で来てくれる人とかバンバンいて、そこからお客様を増やしやすいんですよね」
お客さんに入れる数が多いと言うことは、チャンスも多い。
そして、数をこなせる分、自分の技術レベルアップにもつながる。
「だから僕はここでよかったと思ってます。アメリカとかヨーロッパとかに行って、暇なサロンに入ってしまったら、アメリカとかでやってるって言っても自己満で終わっちゃいますよね」
「アメリカやヨーロッパと比べてもそんなに変わらないと思うんです。技術的にも。英語も結局ここでも覚えられますし」
アジアで美容師することを考えていた日本人美容師のジョーさん
取材中、接客しているヒカルさんからは英語しか聞きませんでした。
お客様は富裕層のため、ほぼ100%が英語を話します。
「ほとんど英語なので、英語も覚えられますし、結局もう国とかじゃないかな。one pieceでよかったです」
ただ、こんな人は向いてないと教えてくれました。
「行ったことないからイメージでしかないんですけど、ワーホリみたいに『海外ライフを楽しみたい！』とかだったら、ここは正直合わないと思います」
「それこそ、チャンスをもぎ取りたいっていうスタンスで来る人は、すごく楽しいと思います。ヒサトさんもすごく教えてくれるんで」
営業中、空いた時間があればヒサトさんに教えてもらっていました。
ーーこっちに来て生活はどうですか？
「来る前は、結構何もないところだと思ってたんですよ。不便で」
「でも全然便利で、都会ですし。生活には困らないと思います」
日本人のコミュニティもあるので、友達もすぐできたそうです。
「日本人美容師はローカルの技術にびっくりしますよ」とヒサトさんは教えてくれました。
ーー以前、最初の頃はお腹も結構壊したとおっしゃっていましたが…。
「あははは（笑）これはやばいですよ。なんか食中毒みたいな感じですよ。腹壊して、ピーピーで熱も出すみたいな」
「まあでも割とそこはみんな通ってるところじゃないですかね。女性の方はなってない方多いみたいです。男性は結構みんな言いますね。最初の2ヶ月くらいは」
ーーインドネシアの方々はどうですか？
「インドネシア人はとにかく優しい。で、いい意味でも悪い意味でも、ゆるい。リラックスしすぎてる。でも、すごい優しくて、困ってる人がいたら助けてあげたいっていう気持ちをみんな持ってるんですよね」
道に迷ってるとすぐに声をかけてくれるジャカルタの人たち。ほんと優しいです。
「なので、ぜんぜん一緒に働く分は助かってます。ごめーん！ブローして！！って言ったら、3人くらい来たりしますからね。いやいや、そんないいよみたいな（笑）そんな子達です」
ヒカルさんはこれから、欧米人も来客するone pieceで、アジア人だけでなく、いろんな人種にも対応できるようになりたいと。そして、英語もマスターしていきたいと教えてくれました。
「結局国は関係なく、どんなサロンで働くかだと思います。あとは自分次第」
ーーそんなヒカルさんから見て、one pieceさんはどんなサロンでしょうか？
「one pieceの強いところはいろいろありますが、集客力・客数だと思います」
「それと、自分のレベルごとにステージを用意してくれるところです。まずは、根本の技術を教える。それから売り上げの上げ方。それができたら、スタッフの教育の仕方、マネージメントの方法も教えてくれます」
「美容師として必要なステージが全て学べる環境なので、そこだと思います」
逆にone pieceさん弱みだと感じるところはありますか？と聞いたところ、しばらく考えて。
「ワンピースの弱みはないと思います。全然。会社的には突き抜けてるとは思いますけどね（笑）」
最後に代表のヒサトさん。
ジャカルタで働くからと言って、ずっとジャカルタにいることもないと、one piece鹿児島店を引き合いに出して教えてくれました。
「one pieceのある鹿児島は、香港、上海、韓国、台湾からダイレクトフライトが飛んでるので、鹿児島店にはガンガンお客様がくるみたいなんですよ」
「それと、すごいのがインドネシア人のお客様が鹿児島店に来ますね。その子に切ってもらいたいから、わざわざ家族で航空券を買って鹿児島で一泊して、髪の毛を切るためだけに来たりもします。ほんとそんなレベルです」
だから、海外・インドネシアで働くからと言って、海外で独立するだけでなく、『武器』を身につけて日本で独立するという選択肢もあります。
インドネシアのメディアから取材が来ていました。やっぱり注目されています。
インドネシア・ジャカルタで、技術を学び、英語を学び、ファンを作り、one piece『ism』を引き継いで、来日する外国人に対応できる美容室として独立するでもいいと。
今後は、アメリカへの展開も検討しているone pieceさん。
「でも、次の店舗、次の海外はなんか僕じゃないのかなと」
「なんか僕の世代じゃないのかなと思うので、やっぱりうちからやりたいって言う人が出てきたときに支援してあげられるような、もちろん経済面でもそうですけど、何か支援してあげられるような自分でいたいなとは思います」
平日朝の朝礼の様子です。
インドネシアだけでなく、その他海外での独立を考えている方もチャンスかもしれません。
「ほんとうちの日本人のスタッフには、とにかく外国人のお客様を切りまくってもらいたいんですよ。それで一喜一憂してもらいたいですよね」
「答えは僕が持っているから、どうしたほうがいいとか、たぶんあの人はあれが欲しかったんだとかいうのは全部僕が教えてあげられます」
「人を育てるとか、サロンに来るお客様をハッピーにするとかっていうのは、もう何年もやってきているので、ちょっとくらいはシェアできるところがあるかなって思います」
世界の人口ランキング4位（2億6399万人）のインドネシア。
人口では日本の倍以上のマーケットが存在します。
また、インドネシアの平均年齢も約29歳と若く、日本の約46歳とは大きく離れています。
経済もまだまだ好調で、日本からの投資額もシンガポールに次いで、第2位です。
そして、個人的にも好きなところは、めちゃくちゃ人が優しい。
街中で迷っていると、老若男女問わず、英語が話せないおばちゃんでもすぐに助けてくれます。ごはんもすごく美味しい。
インドネシアの魅力ももちろん、美容室としてのone pieceさんの今後の展開も楽しみです。ヨーロッパやアメリカなどを就職先として考えている美容師さんも、一度one pieceさんを訪れてみてください。
ONE PIECE
社員数
100名
①日本人男性4名・女性1名
②ローカルスタイリスト30名
③ローカルアシスタント50名
④オフィススタッフ15名
平均年齢
26.5歳
坪数
クマン本店：160坪
セントラルパーク店：146坪
クラパガディン店：112坪
パクボノ レジデンス店：
パサラヤ ブロックM：
鹿児島店：
セット面
クマン本店：20面
セントラルパーク店：20面
クラパガディン店：14面
パクボノ レジデンス店：
パサラヤ ブロックM：
鹿児島店：3面
店舗数
6店舗
お客様年齢層
10〜20代：25%
30〜40代：50%
50代〜：25%
お客様国籍比
インドネシア人：60%
日本人：20%
その他：20%
スタッフ国籍比
インドネシア人：95%
日本人：5%
募集
スタイリスト
雇用形態
正社員
資格
美容師免許 or 理容師免許
語学力
不問
勤務地
Jakarta,Indonesia（5店舗のいずれか）
勤務時間
10:00〜22:00（シフト制）
給与
2,200万IDR（約184,000万円 ※2017.7.27時点のレート）〜
後にコミッションベースの選択肢もあります。
コミッションは、売上の15%／物販の7%
昇給
無し
賞与
無し
交通費
社用車による送迎あり（店舗による）
福利厚生
保険完備（国の保険：BPJSと、民間の保険）
出勤・退勤時の社用車による送迎（店舗による）
各種手当
住宅手当（上限500万IDR=約4万円）
VISA取得費用（全額支給）
休日
週1日
夏期休暇
無し／1年後から年12日の休暇
冬期休暇
無し／同上
その他待遇
社内講習会・社外講習会、独立支援制度、社内イベント、
ビザ取得サポート、住宅探しのサポートなど
就職祝い金
10,000円
選考プロセス
下記「問い合わせ・応募」ボタンより応募→
書類選考→面接→採用
過去の募集記事です。こちらもぜひご覧ください。
『インドネシアの美容産業を変える』
