column 43

美容学校 美容学生 採用代行 採用アウトソーシング

2020/06/11

コロナの影響で求人倍率が低くなったとは言え、まだまだ採用難が続くであろう美容学生の採用。

予算も時間も限られている中で、どのように採用活動を行なっていけばいいのだろうか?特に大手美容室のように採用専任のスタッフを置けない美容室はどのように採用活動を行なっていけばいいのか…?

今回はそんな疑問を持っている美容室オーナーに向けて書いてみました。

本コラムの内容

・予算も時間もない美容室の採用方法
・そのメリット・デメリットは?
・実際に活用したサロンの成果

『ハサミノサキ』を運営する私たちの会社では、求人記事を掲載して求職者と求人者を結びつけるという方法以外にも、その両者を結びつける手段をいくつか持っています。

今回はそのうちの一つにフォーカスしていきます。
もし使えそうならぜひこの方法も利用してみてください。しっかりと結果も出ています。

○予算も時間もない美容室の採用方法

その方法とは、採用業務のアウトソーシングになります。

依頼のあった美容室に代わって、その美容室の採用担当として採用業務を代行します。

その業務内容は…
・学校訪問
・求人票の作成、送付
・美容学校、美容学生からの問い合わせ対応
・SNSの更新作業
・その他コンサルティング

などです。上記の業務内容を具体的に見ていきます。

①学校訪問

読んで字のごとく、美容学校の就職担当の先生にアポを取って訪問します。
そこでは先生への挨拶、美容室の特徴などの説明、また卒業生がいるならその卒業生への報告など一通りのことを行います。

訪問の一番の目的は、就職担当の先生に美容室を覚えてもらうことです。

【自社を記憶に残す方法】

その際に必要なことは、「一言で美容室を表現すること」です。
例えばですが、『新卒給与25万円の美容室』とか、『5年以内に海外勤務可能なサロン』とか。あくまでも例えです。

そうは言ってもうちはそんな特徴ない!というオーナーも少なくないと思います。
しかし探せば必ずあります。
そこは私たちが一緒になって探して表現します。また、もしも全くなければ私たちが一緒になって特徴を作っていきます。

いかに端的にインパクトを持って伝えられるかが、採用活動の成否に大きく影響してきます。

学校の先生に関わらず美容学生も、ものすごい数の美容室から選ばないといけません。
ですので、できるだけ端的にインパクトを持った伝え方が記憶に残ります。

【学校訪問後のフォローの必要性】

また、学校訪問は訪問して終わりではなく、その後のフォローも重要になってきます。
そのフォローも学校との関係構築にはとても大切になってきます。こちらもとても重要です。

【都内の美容室が訪問すべき学校数】

ちなみに、東京と神奈川ですと訪問できる美容学校は約30校以上。(実際の美容学校数はもっとあります)学校訪問する側の都合で上手くアポを入れることは難しいので、だいたい1日3校程度の訪問になると思います。そうすると10日以上はかかる計算になります。

仮に学校訪問を担当する美容師さんの顧客単価が6,500円だとして、1日5人の施術をすると1日の売上が32,500円。10日だと325,000円売り上げです。学校訪問に時間を費やすことでその売上を損失します。

また売上だけでなく、お客様が来店する機会を逃すというのは大きな問題です。
それがきっかけで他店に行ってしまう可能性だってあり得ます。

さらにオーナーが週一の休みで学校訪問をすると、2ヶ月と2週もかかってしまいます。
その間に他社に学生を奪われてしまう可能性も大いにあります。

②求人票の作成・送付

全国の美容学校は、約256校あります。

この全校に求人票を配布します。
また最近は求人票に代わり、ネット上での求人情報の登録も増えてきました。
こちらももちろん代行して登録します。

さらに、学校によって所定の求人票しか受け付けない学校もあるため、それは別途作成して送付します(これがかなり手間がかかります…)。

そして、求人票の作成にもコツがあります。
一校に1,000の美容室の求人票が集まったりするので、相当な有名サロン以外は、まず文字だけの求人票は目に留まりません。

サロンのカラーが伝わるヘアスタイルなどの写真、サロンの特徴がわかるキャッチコピーなどが必要になります。

今後ネット上での登録が増えていくはずですが、21年度についてはまだ紙のほうが多いです。求人票は地味で大変な作業のうえ、求人票の制作にもコツがありますので、求人票だけでもアウトソーシングするのもいいと思います。

ちなみに4月中旬時点で、ある大手美容学校には200件ほどの求人票が届いていたそうです。

③美容学校・美容学生からの問い合わせ対応

クライアントである美容室様と私たちでリクルート専用の共通のメールアドレスを作成して対応します。

問い合わせがあったメールに対しての返信や、学校訪問後、就職担当の先生に定期的にメールを送るといったことも行なっていきます。定期的な連絡は、美容室を先生の記憶に残せます。

問い合わせ自体はそれほど多くならないと思いますが、メールや電話での学校との定期的な連絡は意外とできないと思いますので、アウトソーシングすべき大切な業務の一つです。

③SNSの更新作業

こちらは慣れている美容室さんも多いと思いますが、あくまでも採用に関する投稿を代行します。

個人的には、通常のお店のInstagramの中にたまに(1週間に一回程度)リクルート関連の投稿を入れるのが自然な感じでいいと思います。

なので作業自体はさほど大変ではないと思いますが、ここも見てもらいやすい工夫もあると思いますので、代行作業のひとつとして請け負っています。

④その他コンサルティング

ここもとても大切です。

特にコロナで毎日状況が代わっていくなか、状況に応じてスピーディーに対応していかなくてはなりません。

そのために必要なのが、学校がどう動いているか?という情報です。
この情報は学校と関係を構築したうえで連絡を取っていくしかないので、それがなかなかできない場合は、アウトソーシングを利用するのがいいと思います。

もちろん、リクエストQJさんなど就職情報会社も必要な情報は提供してくれると思います。ただ、スピード感をもって必要な情報収集をするのは、自社、もしくは貴社に代わって採用活動をするアウトソーシング会社です。

ですので、必要な情報を収集したうえで、状況によって採用戦略を変えていかねばなりませんので、専門知識を持った相談役が必要になってきます。

○メリット・デメリットは?

【メリット】
①正社員を雇用するより安い
②採用に関する専門知識を持つ会社が採用業務を行う
③時間が節約できる≒本来の業務(お客様の施術)に時間を使える

【デメリット】
④費用がかかる
⑤ノウハウが残りづらい

①正社員を雇用するより安い

ざっくりした計算ですが、以下ご参考ください。

・正社員を雇用した場合
→月30万円/年360万円以上

・採用アウトソーシングを利用した場合
→月4万円〜/年28万円〜
※業務内容次第ではもっと安く行うこともできます。アレンジ可能です。

②採用に関する専門知識を持つ会社が採用業務を行う
ここは言うまでもないですね。
このような会社は採用に関しての成功パターンをいくつか持っているはずです。

とはいえ、採用は水物ですので絶対成功するとはいえませんが、成功する確率はあがるはずです。

③時間が節約できる≒本来の業務(お客様の施術)に時間を使える
これはとても大きいと思います。

上記『予算も時間もない美容室の採用方法 ①学校訪問』でもお話しましたが、本来の業務に専念できます。

繰り返しになりますが、例えば東京と神奈川の美容学校を訪問する場合…

<東京・神奈川で訪問可能な美容学校>
→約30校

<1日の訪問数>
→平均3校程度

<訪問に必要な日数>
→約10日程度=(週一の休みを利用して訪問した場合、2ヶ月と2週)

<売上への影響>
→(単価6,500円、1日5人施術するとすると)10日で325,000円の機会を損失
→さらに、美容室に訪問する機会を逸した顧客を失客する可能性がある

東京の美容学校は、うまくアポを詰めることができればもっと訪問することは、もちろんできます。ただ、美容学校の先生も忙しい身。うまく詰めることができても、3〜4校のアポ程度だと思います。

なので、この計算をしたのですがそれほどずれてはいないかと思います。
そう考えると施術もするオーナーが美容学校を訪問することの損失は小さくないですね。

④費用がかかる
ここからはデメリットについての説明です。

費用がかかるのはアウトソーシングなので当然ですね。

実際にいくらかかるのかは、アウトソーシングの会社やサービス内容によって大きく変わってきます。宣伝になってしまいますが、例えば私たちですと、正社員を雇用するより約1/6程度の費用で行えます。かつ、採用の成功パターンもあるので採用成功の確率は上がります。

もちろん、自社でできるのが一番です。費用もかからないですし、私たちのような会社に依頼したとしても100%成功するとは限らないので。
ただ、自社で採用業務を行なった場合のコストとパフォーマンスを天秤にかけて、判断していく必要があります。人事担当やプレスのスタッフを置いてない美容室の場合は、アウトソーシングしたほうがコストパフォーマンスは良くなるはずです。

⑤ノウハウが残りづらい
ここを心配されている美容室さんも少なくないと思います。

実際に私たちも何かの業務をアウトソーシングする場合、ノウハウを残したいので大変だけど自分たちでやるということもあります。

でもこの点に関してはアウトソーシング先にやり方を聞いてみてもいいと思います。
もちろん会社にもよると思いますが、ノウハウを全て隠すなんていうことはないと思います。そしてノウハウを聞いたうえで、「来期からはアウトソーシングしない。専門のスタッフを雇用して全て自社でやる」と決めても全然問題ないです。

採用のアウトソーシング業務を行うにあたって、時間をかけてつくった何かしらの制作物などを提供することは難しいかもしれません。ただ、ノウハウが残りづらいという理由でアウトソーシングを選択肢から外す前に、一度この点は相談してみるといいと思います。やり方次第では意外としっかりとノウハウは残せると思います。

○実際に活用したサロンの成果

昨年の実績のひとつをご紹介します。
わかりやすく私たちがテコ入れする前の年(19年度)と比較してみます。

【クライアント】
都心に2店舗経営、スタッフ数は約20名

【アウトソーシング導入の背景】
・新店舗オープンなどもありスタッフを増やす必要あり
・ただし採用担当のスタッフや、プレスのスタッフもいない
・採用に割く時間もノウハウもない
→採用アウトソーシングを導入

【行なったことと期間】
・求人票の作成送付(全国の美容学校へ)→19年4月〜5月中
・学校訪問(東京、神奈川の美容学校)→19年4月下旬〜6月
・その他コンサルティング→20年3月末まで

【結果】
19年度:2〜3人採用予定→結果、採用0
20年度:2〜3人採用予定→結果、採用5人(都内4名、東北1名)

今回一番効果を感じたのは学校訪問でした。
訪問後、しっかりフォローもすることで先生との関係構築ができました。

ある学校ではスタッフの一覧を見て…

先生:「え!?佐藤(仮名)っていま御社にいるんですか?」

弊社スタッフ:「はい!うち(クライアント名)で元気に働いていますよ!」

先生:「転職先1社目まではどこの美容室に行ったか知っていたんですが、その先がわからなくて気になってたんですよ!」

そんなところから一気に先生との距離が縮み、その学校から1名採用できました。

もちろん、どの美容室もオーナーご自身の卒業校やスタッフの卒業校には狙いを定めて訪問することが多いです。ですので、卒業校だからと言って決して採用に有利に進むとは限りません。

また今回採用はうまくいきましたが、必ずこのような結果が出るとも限りません。

繰り返しになりますが、『採用は水物』ですのでいかに採用の可能性をあげられるかということに尽きます。

【コロナの採用への影響】

最後になりますが、今年はコロナの影響で例年に比べ、美容室は採用を抑えてくると思います。同時に一見安定していそうな大きな美容室や、福利厚生が充実しているように見える美容室を選ぶ傾向は必ず出てきます。そのため、採用が楽というとそういうわけにもならないと思います。

だからと言って指をくわえて見ているわけにはいかないので、より一層の採用への注力が必要になります。

これからコロナで集客できなかった分、集客へ力を入れることがメインになってくると思いますので、採用についてはアウトソーシングも視野に入れてみてください。

ハサミノサキ 吉田

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